パッシブWebからリアルタイムWebへ (5)

twitterとはリアルタイム性を体現した存在だった。それに加えて、皆を情報発信者に仕上げた。リアルタイム性のある発信について。

自分の情報発信が即時に伝わる=リアルタイム発信性

コンテンツの持ってくる場所が違った。自分自身パッシブWebでは自動コンテンツ検索エンジンの活用によってコンテンツを差し込むことが主で、そのうち、「番組」を誰かが作っていくだろうという考えだった。

twitterは140文字で出来る可能性で色々なことを生み出していった。画像投稿サービスが生まれた。Youtubeのリンクを張れば見る事ができる。ニュース記事やブログ記事のURLを張れば短縮リンクが表示される。短縮リンクと共にコメントが書き込まれる。

多くの人が情報発信者になっていた。彼らをトリコにするのは何か。

それは隣人のリアルタイム性に加担できる、という点ではなかろうか。twitter上で情報発信を行うことができるのは、既にフィルタリングを超えているからであって、その時点で何らかの評価がされ、それを通過している。

自分が興味のある事項を発信すると、即時に相手に反映される。相手はリアルタイム性のトリコになっているので、すばやく自身の情報発信を受け取るだろう期待がある。場合によっては反応がある。これはネットワークで言うところのRTT(ラウンドトリップディレイタイム、往復遅延時間)なんだな、と。往復遅延時間が短いほど、活発になっていく。

これらの特徴によって、twitterはニコニコ生放送よりも、Ustreamよりも、手軽で活発なサービスになりえた、と。

pixivもリアルタイムWebである

pixivに関してもtwitterとのアナロジーで説明できる。pixivはmixiベースの友達システムだが、twitterゆずりのお気に入りユーザーシステムも持っている。どのように作用するのかというと、自分が絵を書いてアップロードすると、友達・お気に入りユーザーに入れている人、のタイムライン(便宜上の呼び名)に差し込むことができる。

このため、自分が絵を描いたら購読者が見てくれる率が高いので描きたくなるし、他の人の絵をフィルタリングされたものがリアルタイムに流れてくるので見る側としても飽きないシステムになっている。

「膨大なコンテンツを引き出すためには、見てくれる人が必要で、見てくれる人を作るためにはリアルタイム性が必要なのだ。」

この2つのシステム、twitterとpixivは本当に良くできている。着目すべきは社会的関係を持ち込まずにネット上の人格のみでも活動可能な点だ。社会的関係を重視するネットワークの場合、友達システム(すなわち相互に許可するシステム)が必要になる。社会的関係から離れたとき、それは購読(subscription、follow、favorite)だけでもいいのだ。

今までのSNSはmixiなどの社会的関係をつなぐものからスタートした歴史的経緯上、好きなもので繋がるSNS、ニッチな分野のSNSにおいても友達システムを導入したものが多く見受けられる。そのシステムは正しいのか再考してほしい。

続く。

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