本のストリーミング配信というものがあったらどんなものだろう?

iPadやKindleなどの電子書籍端末が話題になっている。特にiPadでは様々な雑誌の体験版のような切れ端が配信されている。しかし、書籍まるごとが販売されていることは少ない。日本向けのiBooksで書籍は微妙で、書籍アプリを買って楽しむことになるが数が少ない。日本における様々な本の電子化は未だ、不十分だ。

そのため、自前で電子書籍化する必要がある。だが持っている本のスキャンをするには、費用がかかる。スキャナーの購入、裁断機の購入、そしてスキャンするための人件費(or 時間)。これを解決するのが スキャン代行サービス だ。

BOOK SCAN がすごい

中でもBOOKSCANというスキャン代行サービスが注目を集めている。1冊100円の安価さ、Amazonから本を直送できる手軽さ、Paypalを支払いに利用出来る、そしてPDF化して届けてくれる。スキャン代行サービスとして、これ以上ない充実した内容を持っている。

しかしながら、問題も抱えている。少し前に、「日本雑誌協会が雑誌スキャン販売会社に著作権違反の警告」をした事実は記憶に新しい。また「著作権の間接侵害の判例マップの例」で例示した録画ネットから選撮見録に到るまでの一連の裁判も、著作権の私的な複製に当たるかどうかの、そして複製の主体は誰であるかの戦いである。

著作権法的にはアウトではないのか

過去の例から鑑みるに、スキャン代行サービスによる一般書籍のスキャン代行は、「使用する者が複製することができる」とあるものではないため、私的な複製には当たらないと考えられる。サービスも価格も非常に良いため残念だが、現行の法律ではしようがない。

ただし、サービスのWebページの「著作権について」ページには、

BOOKSCANのPDF書籍変換システムへご依頼頂いたものは、著作権法に基づき、権利者の許可が必要です。許可がないものは、ご遠慮頂くか、ご自身でスキャンしてください。

と、注意書きがなされている。これは殊勝な心がけだ、どう見ても一般の書籍で権利者の許可が確認できなければスキャンしないに違いないだろう、と思い、ブログ検索を試みたところ、100冊超の書籍のPDF化に成功したとの戦果報告を見つけてしまい、萎えた。受け取った動画は全て権利者の許可を得ているとみなすYoutube方式を採用しているのだろう。ということは、権利者は自身の管理する著作物の無断複製の差し止め請求することは可能だ。

本のストリーミングという考え

そこで、著作権的に問題のないサービスはどのようなものだろうか、と思考してみた。ヒントは複製しないこと、つまり、PDFのダウンロードではなく、書籍のリアルタイムストリーミングであれば、複製には当たらない、という考え方だ。

かつて、動画のダウンロードとストリーミングにおいて、ダウンロード違法化(著作権法の改正)が2010年1月から言われているが、Youtubeなどのストリーミングは複製を行っていないとみなしている。それにより、情を知った(それが合法なコンテンツではない)としても問題はない、という形になっている。

今回のスキャン代行サービスの場合、PDF化という複製を行っていることが問題であって、かつてのテレビ配信サービスが通った道のように、リアルタイム配信という逃げ道を用意することは可能ではないか。裁断した本を用意して、CDディスクチェンジャーならぬ、BOOKチェンジャーが存在して、読みたい本を引き出し、自分だけに配信してくれる。

見た瞬間にデータが消えていけば複製ではない。自動公衆送信権と送信可能化権を侵害しなければ、問題はない。自分の本を自分だけが見られるような状態であれば、自動公衆送信権の侵害ではないだろうと考える。だが、この仕組ではインターネットに接続していなければ、自分の本を見ることができない。

しかしどう考えてみても、BOOKチェンジャーの仕組みが無理。考えるだけムダではなかろうか。むしろ、CDチェンジャーの方がずいぶんと楽そうだ。結局のところ、BOOKSCANのサービスで裁断してもらった書籍を送ってもらって自分でスキャンする方が早いのでは?という結論に至る。引き続き本のストリーミングでうまい方法はないか、考えていきたい。

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