Monthly Archives: 12月 2008

802.11nとHD映像伝送の世間的な動きについて

802.11nは既存の顧客、特にマス向けに対しては特に強い追求力はないのではなかろうか、と思うようになってきた。802.11nの強みは帯域速度の向上だ。この利益は2つある。

遠くの距離を通信しようとしたが帯域速度が低くて使えない、もしくはまったく接続できない場合に効果があること、近い場所の通信をしたくHDなどの広帯域なコンテンツを閲覧したい場合に効果があること。

この2つに当てはまる顧客がどれほど存在しているのか不明瞭だ。今後購入するとすれば802.11nだが、買い替え需要があるかどうかは分からない。案外、WEPやWPA1の不都合で買い換える人が多くなるかもしれない。

しかしながら、802.11nは帯域速度の向上以外にも付加価値を狙ったものがあるようなので、少し古い記事だが紹介したいと思う。

IEEE 802.11nが無線LANの主役へ、従来版置き換えと用途拡大の動き(1/2) ― EE Times Japan

 米Quantenna Communications社は、「宅内のどこでも、どのような状況でも安定した映像伝送が可能である」(同社)と主張する無線LANチップ「QHS チップセット・ファミリ」を2008年11月に発表した。受信感度が著しく下がり、データを安定して受け取れない領域(「デッド・スポット」と呼ぶ)を無くすための機能を複数組み込んだとする。具体的には、送信アンテナ側のビーム・フォーミング機能や、複数の無線端末間でメッシュ・ネットワークを動的に構成する「ベクトル・メッシュ・ネットワーキング」機能、4×4 MIMO(または2系統の2×2 MIMO)処理機能などである。

前半は802.11nについて。ベクトル・メッシュ・ルーティングについてはご存知の通り、ホームネットワークでメッシュを構成して迂回路を設定できるようにするもの。図1●無線LANメッシュ・ネットワークのイメージのイメージに詳しい(元記事は米クアンテナ,メッシュ型無線LANの構築が可能な11n対応チップを投入:ITpro)。

このQuantennaさん、Quantenna、IEEE802.11n対応チップセット発表 – 最大1Gbpsの接続速度を実現 | エンタープライズ | マイコミジャーナルといっていて、1Gbpsという速度。

最大1Gbps出せるならメッシュネットワークの提案が出来るのだろうけれど、1Gbps出すためにはアンテナ立てまくりとか帯域食いつぶす魔改造とかやってそう(調べてない)で、色々と問題ありそう。どうなることやら。

 米W&W Communications社は、HD映像の無線伝送に向けて、遅延時間(処理時間)が2ms以下と短く、高い映像品質を維持できると主張する、コーデック・チップの量産を2008年12月中に開始する予定である。圧縮/伸長には、「H.264/ MPEG-4 AVC」方式を採用する。

この技術が意識しているのは当然、WirelessHD(60GHz帯のミリ波・ソニー松下NECなどのチーム)やWHDI(5Ghz帯・AMIMON、日立製作所などのチーム)で、これらの技術は障害物に弱いが802.11nよりも広帯域を実現できる。(正直なところ、5GHz帯を汚して欲しくないのでWirelessHDを応援したい。)

この2つの技術は広帯域を利用してHD映像を非圧縮で伝送することを前提としている。これに対してW&W Communications社は、障害物の問題は必ず起こりうるのだから可変の圧縮度を選択できることによって、体感の劣化を抑えることができるとしている。

正直なところ、h.264で圧縮して802.11nで伝送して遅延時間2msって有り得ない数字のような気がする。そもそもh.264で圧縮するだけで2msくらい必要のような??。プロファイル次第だけれども、時間圧縮をするにはバッファが必要で、Bピクチャを使った圧縮を行うためには、未来のフレーム情報が必要になる。それだけでも時間を食いそうな気がする。だから、Pピクチャのみで構成するのかしら、と思ってしまう。

よく分からない。

なんかもう、少しこの世界を離れてただけで、どんだけ進んでるんだよ、という周回遅れ気分。やっぱり、HDやるなら802.11nだ。

現状の技術でもまだHD映像の無線伝送は困難なのか?

EE Times Japanにてホーム・ネットワークは今なお視界不良 〜 【CES直前特集】2009年の注目技術 ― EE Times JapanというHD映像と無線ホームネットワークに関する考察が挙げられている。

 「新規の配線が不要」なことを重視するかどうかが、エンタープライズ(企業)・ネットワークとホーム・ネットワークの境界線の1つだろう。企業は、オフィス間を接続して生産性を高められるのであれば、新規の配線を敷設する投資もいとわない。しかし家庭では、よほどハイエンドのユーザーでなければ、高い信号品質が得られるからといってカテゴリ5/6のより対線ケーブルに取り替えたりはしない。従ってホーム・ネットワークは、ボリューム・ゾーンの市場で成功を収めるためには、データ容量の大きい映像ストリームを扱う場合でさえも、新規の配線を強いないように、完全に無線化するか、さもなければ既存の電話線や同軸線、電力線を利用しなければならない。

企業では、その投資が費用対効果として利益に関係するのであれば、やはり投資はいとわない。しかしながら、家庭用途であれば、エンターテイメント用途であり、あったからといって生産性に関係はしない。よって、投資が鈍る。よほどの理由がない限り、現在の家庭内で有線ケーブルを這わすことはない。

 UWB(Ultra Wideband)技術に基づく「Certified Wireless USB」は、さらに深刻な状況である。パソコン周辺機器の無線接続に関しては市場を築く可能性はあるものの、HD映像の無線伝送については、1つの部屋の中でさえも実現できるかどうかがはっきりしていない。

 民生機器メーカーは現在、独自方式の無線リンクを検討しているが、それにもまた課題がある。例えばイスラエルの半導体ベンダーであるAMIMON社は、5GHz帯を利用する独自方式の技術を推進しているが、サポートは限定的である。もし同社の技術がうまく機能するとしても、複数本のHDストリームを無線伝送することは難しいとみられ、結局はコンテンツを圧縮して送るという方向性になるだろう。このほか業界では、60GHz帯を利用する技術も提案されているが、まだ研究開発の段階にあり、現時点では評価を下せない。

まさか、ここで述べられている通り、室外伝送だけでなく室内伝送も困難なのだろうか。おそらく、ここで述べている記者は欧米の広い住宅をイメージしていると考えられる。日本の狭い住宅、木造住宅であれば、伝送できてしまうのではなかろうか。

 なぜわれわれは、室内ネットワークについて議論しているのだろうか? 旧来からのデータ通信と新たな用途であるHD映像のストリーミングの両方に単一の技術で対応できるような、完ぺきなホーム・ネットワークなど存在しない。従って、ある程度近い距離に置く機器群だけに無線接続を適用し、そうした機器群と機器群の間は何らかのバックボーン(基幹回線網)によって有線接続するというシナリオが有力になる。

この点が面白い。11nになってデータ通信とHD映像通信が共存できるレベルの帯域は確保できる感じになった。であれば、両方共に使えるネットワークの方が費用圧縮効果がある。

このデータ、映像共に使える11nネットワークの構築のために何が必要だろうか?

時速500kmでハンドオーバー、高速鉄道向け無線LANの新規格を

時速500kmでハンドオーバー、高速鉄道向け無線LANの新規格を

無線LANにおける「時速500kmでのハンドオーバー」が問題のようだ。

 無線LANの高速ハンドオーバーではIEEE 802.11rが正式な規格が策定されている。しかし、「鉄道は広域にわたるため、ネットワーク間のハンドオーバーに対応しなければならない。ところが、 IEEE 802.11rは、ネットワーク間のハンドオーバーには対応していないという欠点がある」としている。

記事中の図を見ると、2つのエリアのAPの電波範囲がオーバーラップする14mを通過する時間以内にハンドオーバー処理を終わらせたい。500km/h=140m/sとすれば、100ms以内に処理を終わらせるという話になる。これは非常に面白い。

 WiMAXやLTEとの比較だが、コストと帯域では無線LANが勝るとする。「鉄道会社はランニングコストをかけたがらない。自前で回線を持つ方がよいが、それにはモバイルWiMAXやLTEは負担が大きい」としている。

本当にそうだろうか?と思ってしまう。計算してみたいが、計算できる立場にないなぁ。

参加者に質問や意見を聞いたところ「列車にフェムトセルを設置してそのバックボーンに使うという提案はどうか」「リニアモーターカーの磁気は無線LANのノイズにならないのか」「地下鉄のカーブではアクセスポイントが見えなくなるがどうするのか」などが挙がった。

「列車にフェムトセルを設置してそのバックボーンに使うという提案はどうか」は、アリかな、と思う。できるのかしら。

アドホックネタ2つ、ITSとマルチチャネルQoS

アドホックネットワークの最新研究動向について、Googleアラームの情報を元に構成。

ITS無線システムの利用イメージと検討課題について

総務省のITS無線システムの高度化に関する研究会の中の12月15日のNECさんの資料。

欧州ではMIPv6を利用している?欧州では2008年8月にITS用途として5.9GHz帯割り当てを決定。

NECの関連研究では、Geocastとマルチホップするよ、と。5GHz実験やったよ、と。Empowered by Innovation。

もう1つは、阪田氏の研究室、千葉大学大学院融合科学研究科 研究業績の論文マルチホップネットワークにおけるバッファ使用量を考慮することに
よりQoS を保証するMAC プロトコル
と研究報告アドホックネットワークにおけるQoSを考慮したマルチチャネルMACプロトコル

後者の複数チャンネルQoSの提案部分を読んでるが、よく分からない。図を見る限り、バックオフをするしないの違いのみなのだろうか。

無線LAN経由で画像をアップロードできるSDカードが国内で発売

かつて、ブロげ » 無線LAN内蔵SDメモリーカードが商品化というエントリで紹介した商品が、アイファイ、無線LAN内蔵のSDメモリカード「Eye-Fi Share」を年内に発売という形で国内販売することが決定したようだ。

最近ではNIKONとEye-Fiのコラボレーションも伝えられている。

無線LANのアクセスポイントが見つかる場所で、電源を入れるだけで操作無しにアップロードすることができるらしい。この操作なしにという点がミソで、ノートPCからWebサイトにUPするだけの用途で、ノートPCにEye-Fiを挿して使ってしまいそうだ。

手元にあるデジカメはXDカードなので本製品を買えないのが心残りだ。

# 無線LANを通してWeb上の写真を呼び出してくれるのなら、別の楽しみ方もできるかもしれない

タクシー車内でのネット接続

タクシーや高速バスでHSDPA網活用の無線LANサービス開始(Impress Watch) – Yahoo!ニュース

タクシーで無線LAN、面白い。でも利用者がノートPCを広げて使うか?と思っていたら、

タクシー車内でインターネット接続が可能になるため、車内への地域情報の配信や広告掲載、決済サービスの提供なども視野に検討される。

決済サービスの提供は面白いかもしれない。